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Googleが提供するクラウドプラットフォーム「Google App Engine」で、PHPのプレビュー版がオープンで利用できるようになりました。
Google App Engineを使うのは初めてでしたが、とりあえずphpinfoだけであれば無料で動作確認できたので使用開始から実際の動作までを手順にまとめてみます。
Google App Engineの使用開始とアプリケーションの作成
GoogleアカウントがあればすぐにGoogle App Engineを使用開始できます。
Google App Engineの使用開始
Google App Engine公式サイトで、「使用を開始する」をクリックします。
ログイン画面になるため、Googleアカウントでログインします。
アプリケーションの作成
アプリケーションの作成画面で、「Create Application」をクリックします。
作成するアプリケーションの内容を入力します。
Application Identifier
アプリケーション固有のID
Application Title
アプリケーション固有の名前
Authentication Options (Advanced)
認証オプション。Open to all Google Accounts users (default)でOKです。
I accept these terms. にチェックを入れ、「Create Application」をクリックします。
アプリケーションの作成が成功すると以下のような画面になります。今回は「lancork」で作成しました。
PHP SDKのインストール
Google App EngineにPHPアプリケーションをデプロイするにはPython 2.7とPHP SDK for App Engineが必要なため、それぞれインストールします。
Pythonのダウンロード・インストール
2013年10月時点ではPython2.7.5が安定板のため、Pythonのダウンロードページより、Python2.7.5をダウンロードします。
ダウンロード後、python-2.7.5.msi
からPythonをインストールします。設定はすべてデフォルトでOKでした。
PHP SDK for App Engineのダウンロード・インストール
公式サイトのInstalling the PHP SDK on WindowsよりSDKをダウンロードします。
(わかりにくいですが「the latest PHP SDK for App Engine」のリンクの場所です。)
ダウンロード後、GoogleAppEngine-1.8.5.msi
からPythonをインストールします。設定はすべてデフォルトでOKでした。
Configファイルとphpinfo実行用PHPファイルの作成
ローカルの任意のフォルダに設定ファイルとPHPファイルを作成していきます。今回はD:\gaetest
にファイルを作成しました。
Configファイルの作成
アプリの動作に必要となる設定ファイルapp.yaml
を作成します。application
の値は先ほど作成したアプリケーションのIDに、handlers
のphpファイルは動作させるphpのファイル名に置き換えて下さい。
application: lancork version: 1 runtime: php api_version: 1 handlers: - url: /.* script: index.php
上記は必要最低限の設定ですが、他の設定項目は公式サイトのapp.yamlのリファレンスから参照可能です。
実行用PHPファイルの作成
以下の内容でphpinfo()
実行用のphpファイルindex.php
を作成します。
<?php phpinfo();
php.iniファイルの作成
Google App Engineではphp.ini
ファイルを作成し、phpinfo()
実行を有効にする設定を加える必要があります。以下の内容でphp.ini
ファイルを作成します。
google_app_engine.enable_functions = "phpversion, phpinfo"
アプリケーションのデプロイ
ローカルに作成したファイルを、Google App Engineに反映します。
下記コマンドを実行します。D:\gaetest
の部分は設定ファイル、phpファイルを作成したフォルダに読み替えてください。
appcfg.py update D:\gaetest
※もしThis application does not exist (app_id=u’appname’).となった場合、--no_cookies
オプションを付けるとうまくいきます。
appcfg.py update D:\gaetest --no_cookies
コマンドを実行するとEmailとパスワードを聞かれます。EmailはGoogleアカウントのメールアドレスを入力すれば良いのですが、私の場合はGoogleアカウントに2段階認証を設定していたためかパスワードはアプリケーション固有のパスワードが必要でした。こちらの手順で生成したアプリケーション固有のパスワードを入力します。
デプロイに成功すると「Completed update of app: appname, version: 1」と表示されます。
アプリケーションの動作確認
デプロイ後、ブラウザでhttp://[appid].appspot.com/
を開くとphpinfoが表示されます。今回作成したサンプルは以下です。
まとめ
プレビュー版ということで日本語のドキュメントが見当たりませんでしたが、複雑な設定無しであれば簡単にPHPアプリケーションを動かせそうです。Google App Engine for PHPのドキュメントはこちらにあるので、ちょっとしたアプリケーションを公開する際には使ってみたいと思いました。