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私は2009年にIT関連企業(地方の中小SIer)にシステムエンジニアとして就職し、その年の秋から毎回情報処理技術者試験を受け続けています。
この記事を読まれているあなたは、忙しいにもかかわらず情報処理技術者試験を受けようかと考えている・既に受験している、努力家の方なのではないかと思います。
先日「ベンダー試験の知識は役に立つが、情報処理技術者試験は合格しても無意味だ」という言葉を耳にする機会がありました。
情報処理技術者試験なんか合格して意味あるの?
こんな疑問をお持ちの方に、いくつかの情報処理技術者試験を合格した私が意味がないとは思わない 5 つの理由を、実体験を踏まえてご紹介します。
情報処理技術者試験が無意味ではない理由
以下の理由から、情報処理技術者試験が無意味ではないと考えます。
- お客様や担当者と話していてわからないことが格段に減った
- 会社の仕事だけでは得られない知識に触れることができた
- 同じ会社で試験を受けている人と仲良くなれた
- 合格者でもそんなに凄くないことがわかった
- 資格所有者として恥ずかしくない程度に勉強するようになった
これらの理由について実際の体験から詳しく解説していきます。
筆者の受験歴について
2017年時点での私の受験歴は以下のとおりです。
勉強しなかったものや不合格だったものもたくさんあります。
しかし IT パスポートから応用情報技術者試験までと、高度区分の試験に 3 つ合格した者からの視点として見て頂ければと思います。
- H21秋 基本情報技術者 合格
- H22春 応用情報技術者 不合格
- H22秋 応用情報技術者 合格
- H23春 情報セキュリティスペシャリスト 不合格
- H23秋 情報セキュリティスペシャリスト 不合格
- H24春 情報セキュリティスペシャリスト 合格
- H24秋 ネットワークスペシャリスト 不合格
- H25春 データベーススペシャリスト 合格
- H25秋 システムアーキテクト 不合格
- H26春 プロジェクトマネージャ 不合格
- H26秋 ネットワークスペシャリスト 不合格
- H27春 プロジェクトマネージャ 不合格
- H27秋 受験しませんでした
- H28春 情報セキュリティマネジメント 合格
- H28秋 ネットワークスペシャリスト 合格
合格までの勉強法などの受験体験記は当ブログの「情報処理技術者試験」のカテゴリに記事をまとめています。よかったらこちらもご覧ください。
情報処理技術者試験が無意味ではない理由の詳細
実体験をもとにした理由は以下の通りです。
1.お客様や専門の担当者と話していてわからないことが格段に減った
各試験の勉強を始める前まで、私にはITの各分野でよくわからないものや苦手意識のあるものがいくつもありました。
例としてネットワークのOSI参照モデルやデータベースの正規化、セキュリティにおける鍵(暗号)などがあります。
情報処理技術者試験の勉強をするときは大体参考書を一通り読み、過去問でアウトプットしつつ解説と参考書で復習というパターンになります。
特にネットワークスペシャリストについては不合格でしたが入門書の決定版である「マスタリングTCP/IP 入門編 第5版」をひととおり読み過去問の演習は3年分やりました。
これらの学習により、ネットワーク担当者と話をする際にわからない単語が格段に減ったことを実感しています。
※転職した後、ネットワークスペシャリストも合格しました。
関連記事:ネットワークスペシャリスト試験に諦めず挑戦し合格できた勉強法 | Lancork
2.会社の仕事だけでは得られない知識に触れることができた
運用管理やプログラム開発をしていると仕事に関係のある技術や業界の知識はつきます。
勉強が充分である・ないに関わらず、試験を受けると普段は関わりのない分野の問題に強制的に触れることになるため、知識を広げるきっかけとすることができます。
特にITパスポート試験は範囲が広い上に比較的新しい技術についても出題されます。既に上位の試験を合格していても受験してみる価値はあると思います。
他の例としてH25秋のネットワークスペシャリスト試験では比較的新しい技術であるOpenFlowについて出題されました。
「マスタリングTCP/IP OpenFlow編」という書籍の著者である あきみち氏も、自身のサイトで以下のように書かれています。
OpenFlowがネットワークスペシャリストの試験問題として登場するとは思っていなかった人々も多かったので、一部界隈で比較的話題になっている印象です。 私も、最初は「え?マジで?嘘?」みたいな感想でした。
3.同じ会社で情報処理技術者試験を受けている人と仲良くなれた
私の勤務先は中小企業なので全く顔を知らない方は少ないです。
それでも仕事であまり関わらない方とは普段あまり話す機会がなかったりします。
情報処理技術者試験の試験会場は大体、専門学校か大学のどちらか一つの場所で行われます。
試験は午前と午後に分かれているためお昼の休憩時間に教室の外に出ることになりますが、そこでほぼ毎回同じ勤務先の方の何名かに会います。
試験の後も合格時の勉強法を教えてもらったり参考書を貸し借りし合ったりするようになり、仕事だけでは築けなかったかもしれない関係を築くきっかけとすることができました。
4.合格者でもそんなに凄くないことがわかった
過去のブログ記事で情報セキュリティスペシャリスト試験に合格したときの体験談と、データベーススペシャリスト試験に合格したときの体験談を書きました。
どちらの試験時も勉強は十分にしたつもりでしたが、試験を受けた当日はいわゆる「手ごたえ」があまり無く、合格時の点数も合格点ギリギリに近いものでした。
しかし実際に合格してみると私のようにギリギリでの合格者も多数おり、そんなにすごい人ばかりではないということがわかりました。(もちろん私がそうでないだけで、合格者の中にもすごい人はたくさんいらっしゃいます)
自分でもやればできることがわかり、更に他の区分の試験にチャレンジして知識を広げていく気概を持つことができました。
5.資格所有者として恥ずかしくない程度に勉強するようになった
前の項目で合格者でもそんなにすごくないとは言ったものの、合格してしまえば周りからは合格者として見られてしまいます。
情報セキュリティスペシャリスト試験ではセキュアプログラミングを完全に捨てての合格でした。
しかしこうした質問を機に、セキュアプログラミングやWebサイトの脆弱性対策についても学ぶようになりました。
その中でも徳丸 浩氏の「体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方 脆弱性が生まれる原理と対策の実践」は試験前に読んでおけば良かったと思うぐらい、Webサイトの脆弱性が起こる仕組みを解説されている良書でした。
当サイトのブログカテゴリ「セキュリティ」に記載している内容も全て、情報セキュリティスペシャリスト試験合格後に勉強したり調べたものです。
とはいえ分からないものについては仕方ないので、調べるか分からないと回答するようにしています。
おわりに
今回紹介した事例については情報処理技術者試験についてでしたが、他の国家試験やベンダー試験でも同様だと思います。
本エントリが資格をとっても意味がないのではないかと思っている方、試験に挑戦することに不安を感じている方の一つの参考になれば幸いです。
資格取得に向けて勉強されている方はそれだけで尊敬に値します。勉強したことが意味を持つか・どう利用していくかを決める権利は他人ではなく、あなた自身にあることを忘れないでください!
関連記事:効率を重視した情報処理技術者試験の勉強方法まとめ【挫折しないために】