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独自ドメインを取得する際はドメインの名前の部分だけでなく .com や .net、最近では .tokyo などTLD(トップレベルドメイン)も多くの種類から選ぶことができます。そのTLDにも人気や認知度があります。
はじめて独自ドメインを .net で取得した後、 .com を第三者に取られてしまった体験をもとに、.com を押さえておく重要性をメモします。
.net を取得したら .comを誰かに取られてしまった
当サイトは2004年に初めてドメインlancork.net
を取得・登録しました。現在では各TLDは特に制限なく利用できますが、もともとは以下のような意味がありました。
- .com(コム)
「ドットコム」として近年はインターネットに限らずサービス名として利用される事が多くなった。語源は英語の「company」(企業)と間違われる事が多いが正しくは「commercial」(商業・商用)が語源である。- .net(ネット)
ネットワークインフラ。個人や営利団体も取得可能である。- .org(オーグ または オルグ)— 語源は組織を意味する英語「organization」である。
非営利団体制限なし。
当時は商用・商業を意味する.com
や非営利団体を意味する.org
よりも個人サイトに合っており、響きも良いという理由で.net
を選択しました。
しかしその翌年に.com
ドメインの知名度や人気を知りlancork.com
も取得しておこうと思ったら、全く知らない別の誰かに既にドメインを取得されていることがわかりました。
ドメインのWhois履歴を調べることができるサイト「who.is」でlancork.com
の所有者履歴を調べると、現在の所有者は私(GMOインターネットがWhois代理公開)ですが2005年当時は別の所有者となっています。
今でこそ多少はトラフィック(転送量)のあるサイトになりましたが当時はほぼ無名のサイトだったので、単なる嫌がらせかドメインを占拠して売りつけるのが目的だったと推測されます。
データに見る .com ドメインの圧倒的な登録数と人気
ドメイン名やIPアドレスなどのインターネット資源の管理を行っている団体のICANNでは、各レジストリがICANNに提出しているデータをもとにドメインの登録数を資料として公開しています。またJPNIC(日本ネットワークインフォメーションセンター)ではその資料をさらに見やすく加工して公開しています。以下は2014年4月時点の登録数です。
TLD | 登録数 |
---|---|
.com | 116,856,602 |
.net | 15,699,728 |
.org | 10,446,179 |
.biz | 2,756,014 |
.info | 5,774,272 |
.com
の登録数が1億個を超えており、2番目に登録数の多い.net
と比べても桁違いの数であることがわかります。ドメインといえば「ドットコム」を連想すると思いますが、圧倒的な知名度と人気を誇っています。実際のところ海外では.comでないサイトを見つけるほうが難しい印象があります。
ドメインの不正占拠(サイバースクワッティング)
ドメインは年間の維持費さえ払えば好きな文字を早い者勝ちで取得することができます。また双方の同意があれば譲渡することも可能です。しかしこれを悪用して後で高く売りつけるために不当にドメインを取得する「サイバースクワッティング」という行為が存在します。
日本でのサイバースクワッティング事例についてはWikipediaに以下のような記載があります。
日本での事例としては、matsuzakaya.co.jp のドメインを第三者が松坂屋(百貨店)に先回りして取得し、アダルトサイトを掲載してあわよくば松坂屋に高額でドメインを売りつけようとした事件や、jaccs.co.jp のドメインを取得していた富山県の簡易トイレ販売企業にジャックス(信販会社)が使用停止を求める訴訟を起こした問題(→ジャックス (信販)#ドメイン名をめぐる事件)、j-phone.co.jpのドメインを取得していた東京都の食品輸出入企業にジェイフォン東日本(携帯電話会社)が使用停止と損害賠償を求める訴訟を起こした問題などが挙げられる。
また大手ニュースサイトGIGAZINEは2000年にgigazine.net
というドメインを取得し、現在も運営されていますが、2002年に全く別の誰かがgigazine.com
というドメインを登録しています。おそらくドメインを売りつける目的だと思われます。
リンクはしませんがそのドメインのページを開いてみると、広告だけのサイトにドメインを売り出し中である旨が書かれています。大手サイトのため、アドレスの打ち間違いでサイトに来る人がそれなりに居て、そこから広告収入も得ているものと推測されます。
ドメインを買い戻すことの難しさ
他人に取られてしまったドメインを買い戻す方法には主に以下のような方法があります。
期限切れで削除されたドメインを再登録する(ドロップキャッチ)
ドメインは一年または数年単位で維持費を払って更新する必要がありますが、主要なTLD(.com/.net/.org/.biz/.info/.name/.pro)では有効期限が過ぎても更新されなかった場合は再登録のための「請戻猶予期間」という期間があります。その期間に再登録されなかったドメインは「削除保留期間」を過ぎた後に削除され、他の人が登録できるようになります。
このドメインが削除される瞬間を狙えばドメインを再登録すること(ドロップキャッチ)が可能です。しかし覚えやすい語句やトラフィックが多い「有用なドメイン」は業者もドロップキャッチを狙っているため、一般人が再登録することはほぼ不可能です。
ドロップキャッチについてはJPNIC(日本ネットワークインフォメーションセンター)が公開している下記ページが非常に参考になります。
参考:インターネット用語1分解説~ドロップキャッチとは~ – JPNIC
ドメインの所有者やオークションから購入する
インターネットではたまに「This domain name is for sale!」などと表示されるドメイン売り出し中のサイトを目にすることがあります。これらのサイトはSedoなどのドメイン売買のためのプラットフォームを提供するサービス上にドメインをパーキングしており、広告収入を得つつドメインを売り出しています。下の画像のようなサイトを見たことがある方も多いのではないでしょうか。
またドメインオークションのサイトでドメインを購入する方法もあります。日本ではお名前.comやValue Domainでドメインオークションが開催されています。
しかし上記の方法でドメインを手に入れるには多くの手間がかかり、通常のドメイン登録よりも高額な費用もかかります。
可能な限り.comドメインを押さえておくほうが良い理由
上記の通り.com
ドメインは圧倒的な知名度と登録数があり、誰かに取られてしまったドメインは取り返すことが難しいという特徴があります。
既に.com
が取得されていて仕方なく他のものを登録する場合は仕方ありませんが、新たなサイトやサービスを立ち上げる際には可能であれば名前を騙られたり不正利用されないためにも、好きなTLDだけでなく.com
も押さえておくことは重要です。
主要なレジストラであれば年間1,000円以下で登録が可能であるため、もしも取り返すこととなったときの苦労を考えれば高くない出費だと思います。
おわりに
最近は.tokyoや.nagoyaなどの今までにない新ドメインの登録が開始されているため、昔のことを思い出しながら書きました。
ちなみに私のlancork.com
はサイトを更新していなかった2013年6月に期限切れで削除されているのに気づき、運良く再登録することができました。ドメインの価値が無くなったため前の所有者が手放してくれたようです。そろそろ有効期限が切れるため、手放さないよう更新しようと思います。
関連記事:私がVALUE-DOMAIN(バリュードメイン)を10年以上使い続ける理由