【2020年版】アニメ「ダイの大冒険」第42話「死の大地」の感想


【2020年版】アニメ「ダイの大冒険」第42話「死の大地」の感想

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こんにちは、fidnです。ダイの大冒険の約30年のファンです。

前回に続き、2020年版ダイの大冒険のアニメの第42話「死の大地」を視聴しました。

冒頭からカットされていたと思われたシーンが出たり、ポップとキルバーンのやり取りが絶妙な回でした。

原作との違いや心に残ったシーンをふまえて、長年のファンの視点で以下のスタンスで感想を書きます。

  • 原作や1991年版のアニメとネガティブな比較はしない
  • 監督・声優さん・作曲家さんなど制作陣をリスペクト

注意点としてこの記事はアニメだけでなく、原作のネタバレも含みます。

今回も原作すべてとアニメを見ていない方はこの先を絶対に見ないでください。きっと後悔します。

原作とアニメを見た方は、続きをお読みいただければと思います。

2020年版アニメ「ダイの大冒険」第42話「死の大地」の感想

第42話「死の大地」の感想をまとめます。

  • ロン・ベルクとジャンクのお酒のくだりと名言、カットされていなかった
  • ポップに学ぶカッとなることの怖さ
  • キルバーンの仕事術

続いて、感想をそれぞれ詳しく書いていきます。

ロン・ベルクとジャンクのお酒のくだりと名言、カットされていなかった

ロン・ベルクとジャンクのお酒のくだりと名言、前回の第41話に出てこなかったためカットされたのかと思っていましたが、第42話の冒頭から登場しました。

剣を作り終えてダイを見送ったロン・ベルクと、それをねぎらうジャンクの会話シーンです。

魔族であるロン・ベルクが、このシーンではキラキラした透き通った目になっていることからも、本当に良い仕事をしたことが感じられます。

また達成感でいっぱいのロン・ベルクと、それを察してお酒を差し出すジャンクの「分かりあっている感」、アニメでも良い感じに表現されていました。

ジャンクは第38話「世界会議(サミット)」で、ロン・ベルクと「最近知り合った」と話しているにもかかわらず、まるで長年の親友のようなやりとりです。

アニメではジャンクの過去は語られませんでしたが、原作をご覧になったあなたもご存じのとおり、2人には以下のような共通点があります。

  • ジャンクは元ベンガーナ王宮の鍛冶屋で、大臣をブン殴って辞めた
  • ロン・ベルクはバーンお気に入りの名工だったものの、自由のためバーンの顔に泥を塗り、去った

ロン・ベルクは短い付き合いながらもジャンクの過去を知っている一方で、「あいつがそんなに偉いやつだったとは」というセリフからジャンクはロン・ベルクの過去は知らない可能性が高いです。

しかし短い付き合いながらに通じ合っているのは、鍛冶職人であり似た過去を持つという共通点があるためだと思われます。

また大人になって、ロン・ベルクの以下のセリフが改めて名言だと感じました。

何百年生きたってカラッポの人生もある・・・!
・・・ああ・・・うまい!・・・こんな思いができるやつは何人もいないさ・・・!オレは今満足しきっている!!

引用元:ダイの大冒険 第42話「死の大地」

原作では「こんなうまい酒が飲めたやつは」ですが、アニメだと上のように少しだけセリフが変わっていました。「・・・ああ・・・うまい!」が、よりロン・ベルクの達成感を表しているようです。

お酒の席では愚痴や不満などネガティブな話題を出してしまいがちではありますが、ロン・ベルクのように何かを達成したあとの本当にうまいお酒、今後の人生で味わえるのは何回だろうと感じました。

ポップに学ぶカッとなることの怖さ

第42話「死の大地」は、ダイの大冒険の全ストーリーの中でも屈指の、ポップが「やらかしてしまう」回でした。

キルバーンの挑発に乗ってカッとなり、死の大地に乗り込むもののピンチになり、ダイも巻き込んでしまうというくだりです。

第40話「闇の師弟対決」でイオラやフィンガーフレアボムズなどを披露して活躍したしたと思いきや、まだまだ人間らしさを見せてくれるところが、いかにもポップという感じです。

偶然にも最近読んだ「ネガティブな感情が成功を呼ぶ」という本の以下の記述が、今回のポップの「怒り」と「カッとなってやった行動」に通じるものがありました。

危機が差し迫っているという感覚に襲われると、その脅威を取り除くためにすぐに何かをしなければと思ってしまうのである。
ところがそうやって感情を爆発させると、結局状況はいっそう悪くなる(スーパーのレジ待ちの列に横入りした人を殴ってしまったらと想像すればわかる)。

引用元:ネガティブな感情が成功を呼ぶ(Kindleの位置No.1346-1349)

たとえば仕事で取引先やお客さんから挑発するようなイヤ~なメールが届いたとき、カッとなって感情のままにメールを返信してしまいそうになることは私も経験があります。

死の大地に降り立ったあとは冷静になったポップでしたが、カッとなったときは冷静になるまで時間を置いてみるという学びを感じさせてくれました。

でもすぐにキルバーンとミストバーンを追いかけたポップの行動もよく分かるんですよね・・。こういう人間らしさがあるからこそ、ポップが好きなんだよなあと。

キルバーンの仕事術

キルバーンが「お仕事」をする様子がアニメ・セリフ・音楽ではじめて表現され、不気味な死神感が絶妙でした。

ポップのファンとしては見ているのがツラい展開でしたが、以下の流れは敵ながら見事でした。

  • 死神の笛の風を切る音
  • 体の自由を奪われたポップの絶望感と「くそおおおおーーーーっ!!!!」
  • キルバーンの愉快なモードからマジなモードへの切り替え

とくに途中までは楽しそうに話していたキルバーンがマジなモードに切り替わる以下のセリフが秀逸でした。

そうだねピロロ・・・それがいい・・・!!

引用元:ダイの大冒険 第42話「死の大地」

「ピロロ」のあとの「・・・」←この沈黙からの「それがいい」の声のトーン、急に低くなってめちゃめちゃ怖かったです。

前半パートでは怒り狂っていたミストバーンも、どことなく引いていそうな印象を受けました。

また笛の音からはじまるキルバーンのテーマ曲は、サウンドトラックでまさにそのままのタイトル「キルバーン」として収録されています。

この BGM、笛の音からはじまって徐々にオーケストラ調になっていく感じがとても良いだけでなく、今回のポップとキルバーンのやり取りでは特に重要な役割を果たしていました。

ただの笛の音や風切り音だと思ったら全身の感覚を奪われていた・・という、一連の「仕掛け」と音楽の変調が絶妙にマッチしていたためです。

次回はハドラーが主役になりそうですが、キルバーンの今後の暗躍と BGM の使われ方にも注目したいです。

おわりに

第42話「死の大地」の感想をまとめます。

  • ロン・ベルクとジャンクのお酒のくだりと名言、カットされていなかった
  • ポップに学ぶカッとなることの怖さ
  • ポップとキルバーンの絶妙なやり取り

次の第43話は「最強剣激突」です。剣を持っているのはダイだけのはずなのに、意味深なタイトルですね・・(笑)!第33話「ザボエラの奇策」以来となるハドラーとダイの対決、楽しみです!