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「News Diet」という本を読了しました。
News Dietを読了。良い本でした。「自分の影響が及ばないニュースに感情を高ぶらせても仕方ない」がとくに印象に残った。とりあえずスマホからニュースアプリを消してみたけど、何日もつかな・・🤔https://t.co/E0KoHozbur
— fidn@外資IT (@lancork) July 26, 2021
本を読んだあとにニュースアプリを削除して 3 週間ほど経ちますが、とくに困っていません。
この記事では 「News Diet」を読もうと思った理由、とくに共感した3つの点と本を読んでから変えた3つの行動をご紹介します。
あなたが 1 日の時間を増やし、心をおだやかにおちつけたいとお考えであれば、きっと参考になるはずです。
「News Diet」を読もうと思った理由
「News Diet」を読もうと思った理由は 2 つあります。1 つ目はたまたま Amazon のおすすめに出てきたためです。
2つ目は本の紹介文にある以下の一文に興味をそそられたためです。
ニュースは私たちの精神を鈍らせ、本当に重要なことから目をそらさせ、意志の力を麻痺させる。
引用元:News Diet
子供のころより親から「バラエティ番組よりニュースを見なさい」と呪文のように言われていたこともあり、ニュースは見るべきものという思い込みがありました。
こうした偶然と、最近感じていたことと重なったことが理由で本書を手に取りました。
「News Diet」の著者と概要
「News Diet」の著者は「ロルフ・ドベリ」氏です。スイス生まれの作家・起業家の方で、本書のほかにもいくつか本を出されています。
私はロルフ・ドベリ氏の「Think Smart」という書籍をオーディオブックの Audible で読んだことがあり、共感できる考え・新しい視点が多かったことを覚えています。
それでは本題の感想です。
「News Diet」で共感した・ためになった 3 つの部分
「News Diet」を読んでとくに共感した・ためになった 3 つは以下です。
自分にとって重要なものを見分けるための「能力の輪」という概念
1つ目は自分にとって重要なものを見分けるための「能力の輪」という概念です。
「能力の輪」はもともとは投資家のウォーレン・バフェット氏による概念で、以下のような意味を持ちます。
人は、能力の輪の内側にあるものには習熟できるが、輪の外側にあるものは、理解できないか、ほんの一部しか理解できない。
「News Diet」の筆者は能力の輪とニュースに関して、以下のような見解を記しています。
- ニュースは能力の輪の外にある
- 能力の輪はメディアが発する情報の選別に役立つ
- 能力の輪の外にある情報は時間の無駄かつ、集中力を奪う
この能力の輪という考え方は自分の専門領域に関する情報を選択する際だけでなく、ニュースを発信している人・コメントしている人にも当てはまると思います。
たとえば2020年のはじめごろから何度耳にしたかわからないコロナウイルスに関する情報について、能力の輪の内側・外側を考えると以下のとおりです。
- 医療関係者のコメント:能力の輪の内側
- 芸能人のコメント:能力の輪の外側
話題によっては専門家であっても能力の内側にある人ばかりとは言えず、それ以外の人であればなおさらよくわからずにニュースを発信する側になっていることもありえます。
自分の能力の輪を意識することは、入ってくる情報の要る・要らないを判断する精度を上げるだけでなく、専門外のことについて不必要なコメントやデマを拡散してしまうことを防ぐことにもつながると感じます。
ニュースを見ても行動は変わらない・むしろ誤った行動につながる可能性
2 つ目はニュースを見ても行動は変わらない・むしろ誤った行動につながる可能性がある点です。
本書ではこニュースが誤った行動につながる例として、飛行機の墜落事故のニュースを見た後の行動が挙げられていました。
新聞や雑誌で読むリスクは、真のリスクではない。テレビで飛行機の墜落事故を見ると、その後しばらく飛行機に乗るのを控える人は少なくない。実際には飛行機が墜落することはきわめてまれで、墜落事故が起きたからといって自分の行動を変える必要性はまったくないのだが。
実際の民間航空機の事故率を「ICAO(国際民間航空機関)」のウェブサイトで調べてみました。2020年では 100万の出発あたり 2.43 の事故率でパーセンテージだと 0.000243%です。
本書には記載がなかったものの、ニュースが誤った行動につながる最悪な例の一つとして亡くなった芸能人の後を追ってしまう人がいることが挙げられます。
にわかには信じがたい話ですが、「影響力の武器」という書籍に、これに関連した以下の一文があります。
フィリップスは現代のウェルテル効果の証拠を手に入れようと、アメリカにおける1947年から1968年までの自殺統計を調べました。そして一面に自殺の記事が出た二ヵ月間は、自殺者の数が普段より平均で58人増えることを見出しました。
引用元:影響力の武器 第三版 p.234
また世界保健機関(WHO)は、メディア関係者に向けて著名人の自殺に関する報道でやってはいけないことのガイドラインを示しています。
しかしながらセンセーショナルに報道されたりと、このガイドラインがどのメディアでも常に守られているとは限りません。
ニュースを断つことは、こうした致命的な影響を避けることにも繋がると思いました。
本当に大事な情報はニュース以外のところからも入ってくる
3 つ目は本当に大事な情報はニュース以外のところからも入ってくるという点です。
本書では「ニュースを断つと大事な情報を逃すのでは」という不安への回答として、以下の一文がありました。
本当に大事な情報は、適切なタイミングで耳に入るものなのだ──専門紙を通して、あるいは友人や義理の母や、あなたが言葉をかわしたほかの誰かを通して。
ここ最近で自分にとって「本当に大事な情報」がニュース以外のどこから入ってきたか考えてみたところ、以下のとおりでした。
- 緊急事態宣言:会社の同僚・Twitterのトレンド
- 給付金の申請開始:政府からの郵便・会社の同僚・
- ワクチンの接種開始:政府からの郵便・会社の同僚・美容院
たしかにニュースでないルートからも、何かしらの情報は入ってきていました。
本書を読んでからはほとんどニュースを見ていませんが、友人との会話の際に最近何か重要なニュースがあったか聞いても、知らないとマズいほど重要なことは出てきていません。
「News Diet」の読後に実践している 3 つのこと
本は読んだ後に行動を変えてこそ価値があるものだと思います。
「News Diet」を読んだ後に実践していることは以下です。
スマホからニュースアプリを消した
スマホからニュースアプリを消しました。
ニュースアプリを消す前の私は朝に起きたあと、「はてなブックマーク」というアプリでニュースをチェックするのが日課になっていました。
このアプリは人気のあるニュースを一覧で表示するだけでなく、ニュースをブックマークした人が付けたコメントを見ることもできます。
毎日のように政治や経済、ときに芸能のニュースやコメントのチェックに 30 分ほどを費やしていましたが、今思えばムダな時間でした。
自分の専門である IT の分野だけは、今もパソコン版のはてなブックマークで IT のページを直に開いて確認していますが、専門外のニュースは目に入れないようにしています。
WBS(ワールドビジネスサテライト)を見るのをやめた
テレビ東京のニュース番組 WBS を見るのをやめました。
以前はほぼ毎日見ていましたが、ニュースアプリと同様、ニュースを見て役に立った情報を思い出せなかったためです。
番組は 1 時間ですが CM の時間も多く、今思えば情報を得るための時間の効率も良くなかったと感じます。
本を読む時間が増えた
アプリとテレビニュース、それ以外にもインターネットのニュースを見るのをやめたことで、毎日1時間30分以上の時間が生まれました。
この時間をまるまる本を読む時間に充てることができるようになりました。
読書熱が上がってきた理由としては、本書の以下の一文の影響も大きいです。
それなしでは生きられないほど重要なニュースなど存在しない。数えきれないほどのニュースよりも、たった一冊の良書のほうが何千倍もあなたの人生と健康のためになる。
このブログでもためになった本をたまに紹介していますが、良書が人生に良い影響を与えてくれることは間違いありません。
おわりに
「News Diet」の感想と、ためになった3つのことをまとめます。
- 自分にとって重要なものを見分けるための「能力の輪」という概念
- ニュースを見ても行動は変わらない・むしろ誤った行動につながる可能性
- 本当に大事な情報はニュース以外のところからも入ってくる
自分にとって重要でない情報を断ち、逆に重要な情報はいかにして自分のものにしていくかを考えさせられました。
イライラするニュースを断ち心をおだやかにする意味でも、手に取ってみて損はない良書だと思います。